MARKETING

マーケティング調査

マーケティング調査における最大の目的は、物件のポジショニングを明確にすることです。競合物件と比べてどの点が優れていて、どの点が劣っているのか。それを客観的な視点で冷静に分析します。 物件の魅力がわからないと、広告媒体をつくることはできません。できたとしても、それはどの物件にも当てはまるような、当たり障りのないものになってしまいます。 たとえばチラシの端に物件名が記載されていて、その物件名がほかの名前に差し変わっても広告として成り立つようでは、有効な広告とは言えません。 「この物件ならでは!」「この物件だからこそ!」そう思わせるデザインなりキャッチコピーが必要となります。そして、その下地となるのがここで紹介するマーケティング調査です。 「左脳は論理、右脳は創造」などと言われることもありますが、まずは左脳を使って徹底的に論理的に分析し、すべての情報を整理した上で初めて次のステップに進むことができます。 なにはともあれ、まずは情報収集からです。 マーケティング調査の各項目について簡単に解説していこうと思います。 ここでは物件種別を「新築戸建」とし、物件の所在する市を「当該市」、物件の所在する場所を「計画地」と表記します。

民力度(国勢調査)

まずは国勢調査から当該市における以下の項目をピックアップ。

・総人口
・人口(男性)
・人口(女性)
・総世帯数
・総平均年齢
・平均年齢(男性)
・平均年齢(女性)

それらをグラフ化し、どの年齢層の人が多く住んでいるのか、何人世帯が多いのかを比較できるようにします。 また、当該市への転入状況(どの市から引っ越してきているか)、当該市からの転出状況(どの市へ引っ越していいるか)から、ベッドタウン側面や地元密着志向がどの程度強いのかが読み取れます。さらに、持家と借家の比率、年収などについても調査します。 このあたりで、「〇〇市に住む年収〇〇万円台の一次取得者」といった大枠のターゲットイメージが見えてくるはずです。

賃貸家賃相場

当該市に所在する賃貸マンションの家賃相場を割り出します。 仮に家賃相場が8万円(+駐車場代1万円)の場合、同額の返済額で借入額を算出すると、約3,200万円になります。頭金を10%入れることを想定したとき、約3,500万円の購買能力があるだろうと判断することができます。 それと比べて計画地の想定売出価格が高いのか低いのかが、一つの指標となります。

公示地価推移

計画地周辺の公示ポイントをチェックし、過去数年の地価がどのような動きをしているのかを読み取ります。上がっているのであれば強気の価格設定でも勝負ができますし、下がっているのであれば売出価格を慎重に検討する必要があります。

新築戸建・宅地市場

計画地周辺の新築戸建および宅地の成約事例を集め、面積別にボリュームゾーンがどこにあるかを見極めます。 たとえば、地場業者を中心とした土地30坪台・総額3,000万円台中盤と、大手ハウスメーカーを中心とした土地30坪台・総額4,500万円〜5,000万円といった具合に、ボリュームゾーンが二極化することもあります。

競合物件(リスト・プロット・詳細)

計画地周辺の競合物件をリスト化し、地図にもプロットします。 特に対抗しそうな物件については、区画図やプラン図などの資料や売れ行きの情報を仕入れ、より詳細に比較検討できるようにします。

計画地の物件特性

与件認識として以下の項目を列挙します。
・所在地(住所・地番)
・交通(最寄り駅までの徒歩分数、バス利用の場合はバス乗車時間も)
・アクセス(最寄り駅からターミナル駅、都心までの電車乗車時間)
・総戸数(総区画数)
・総宅地面積
・用途地域
・建ぺい率
・容積率
・生活施設(周辺の買物施設)
・教育機関(小学校区・中学校区)

駅距離や都心へのアクセスは物件の売れ行きを決める非常に重要なファクターです。 一方で、周辺に買物施設が充実していたり、公園が多かったり、人気のある校区だったりすると、たとえ駅から離れていても販売はしやすいでしょう。 また、住居系エリアや商業系エリアが区分される用途地域も漏らさず調査する必要があります。 地形の状況により日当りや眺望が変わってきます。道路幅の違いや交通量によって音の影響も違いますので、そのあたりは実際に現地に赴いて確認することをお勧めします。

ポジショニング・価格考察

市場特性と物件特性をかけ合わせ、そこから計画地のポジショニングを導き出します。 縦軸をグロス価格、横軸を敷地面積にしたマトリクスを利用すると、情報が整理しやすくなります。計画地が「敷地面積が広くてグロス価格が高いエリア」に位置するのであれば、真逆の「敷地面積が狭くてグロス価格が低いエリア」にある物件とは真正面からは競合しないと考えてよいでしょう。 計画地の強みは何なのか?逆に弱みは何なのか?だんだんと見えてくると思います。完璧な物件などというものは存在しません。それぞれにそれぞれの特性があるわけなので、メリット・デメリットを整理した上で、それらを魅力に変換し訴求していくのです(デメリットも裏を返せばメリットに見えることもあります)。 もちろんどんな場合でも課題はあります。それを物件の企画でクリアするのか、販促の企画でクリアするのか、ケースごとに提案します。そして、区画ごとの売出価格をシミュレーションし、販売全体の方向性を提示します。

ときめくコンセプト-不動産物件の販促企画について-

お問い合わせはこちら ▶

© 2017 ときめくコンセプト